東京の冬

 夏はあんなに暑いのに冬はどうしてこんなに寒いのでしょう。全くもって腑に落ちない。これなら北海道の冬の方がどれだけあったかく感じるか。私なりにいくつか理由を見つけました。

 まずとにかく家の作りがちゃっちい。うさぎ小屋とはよく言ったものです。言い得て妙。雪が積もらないので柱も割り箸の端材か思うほど細いし壁の厚さはパンでいうなら北海道は四つ切り、東京はサンドイッチ用と言ったところでしょうか。窓ガラスも1枚で当たり前。冷気を塞ぐものが無いに等しいのです。暖房も完備されていない上匂いがつくからと石油ストーブなどの暖房は使用禁止の借家が殆どで厩舎の方がどれだけ立派に作られてるか。東京の戸建は馬以下である事は確定です。冬は短いからとはいえ何故にこんなに粗雑に作るのか地震で倒壊するのも納得です。基本的に目先しか考えてないのが東京なんですよね。もしもに対応してないのでもちろん寒さにも不対応。毎年寒いはずなのに毎年同じ事を言う鉄道各線もいい加減雪対応してはいかがかしら。

もう一つ気付いたのは色。冬になると東京の至る所が暗いんです。例えばコート。制服ですか?と聞きたくなるくらい同じマークのダウンコートを着ているのです。調べると2、30万円の高額商品なのですが見渡せば真っ黒なダウンだらけ(ちなみにカラフルな色のダウンは大体某国観光客)で仕事であろう人々もとにかく黒グレーの塊が流れてゆくのです。女性誌ではあんなにふわふわ可愛い色を押していてもコートはベーシックカラーで決まり★なんでしょうね。雪も降らないアスファルトの上をモノトーンが蠢いている。暗い…不景気だからなのか、お洒落をする余裕がないのか、とにかく気持ちが沈むくらいには淀んだ景色が広がっています。年末年始にはイルミネーションが点灯されて華々しくなるのですが、暗い人々が引き立ててるのがまた寒々しい。喪に服してます?って聞きたくなるくらい。

そんな鬱々とした冬がやっと終わって桜もちらほら咲きはじめましたね。お日様はぽかぽかと春の陽気であったかいお昼でも町はダウンで溢れてる不思議。

春でぇむん

春でぇむん